漢方内科について
漢方薬とは、生薬(植物の根・茎・などで、薬効成分の豊富なもの)や鉱物を混ぜ合わせて、それをコトコト煮込んで薬効成分を抽出した薬物です。
漢方薬には、大きく分けて2種類あり、“煎じ薬”と呼ばれるものと、“エキス剤”と呼ばれるものがあります。コーヒーに例えるとわかりやすいのですが、煎じ薬は豆から挽いたコーヒーに該当、エキス剤はインスタントコーヒーに該当します。すなわち、煎じ薬は、生薬を30分ほどかけてコトコト煎じるところから準備が始まりますから手間がかかるのですが、そのぶん、薬の香りなどを含めて薬理効果が強く出ることが期待されます。
一方、エキス剤は、すでに抽出された薬効成分を乳糖などの基剤に吹き付けて顆粒にしたり、あるいは、固めて錠剤にしたりしてあるため、たいへん手軽に服用できて携帯するにも便利なのですが、煎じ薬ほどの薬理効果は期待できないケースもあります。効果の具合やお好みによって、処方を使い分けていきます。
漢方薬は、現代のような検査機器が存在しない時代に発達した東洋伝統医学における治療方法の一つです。ですから、訴えられた症状を中心に、そのほか全身の症状も考慮しながら、脈や腹の所見や舌の所見など、目に見え、触って感じられる所見と合わせて病態を診断し、処方を組み立てていきます。そのような方法論をとっているため、病気を治すよりも症状を取り除くことが得意な治療方法となっており、医療の原点である“苦痛の緩和”の手段としては、とても優れたものの一つと言えます。
効果が期待される代表的な病気としては、関節リウマチ、慢性腎臓病、筋収縮性頭痛、過敏性腸症候群、慢性胃炎、各種不整脈などがターゲットとなります。
効果が期待される症状としては、雨の日の前に悪化する頭痛、原因不明で長く続く咳、肩こり、食欲不振、倦怠感、ほてり、動悸、月経痛、などがあります。 そのほか、さまざまな症状に対応することも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。